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索引用語集 西山隆税理士事務所

事業を始めるには A会社設立
事業を始めるには @企業の独立
工事台帳の効果
医療費控除
延滞税、加算税、延滞金、加算金
修正申告、更正、決定、付帯税
売上と資金の関係(売上を伸ばすにはお金が要る)
借地権(形が無いのに一番高い)
粗利益(売上総利益)
劇「脱税」修正申告
劇「脱税」経費率
劇「脱税」売上計上洩れ
劇「脱税」裏取引
劇「脱税」反面調査
総資本経常利益率
集めたお金 使ったお金 資金調達と運用」A
集めたお金 使ったお金 資金調達と運用」@
基幹産業
電子申告
経営比率
短期借入金 税金なんか払えるか
定期性預金 カギは15年前に
資産の回転率 続・カギは15年前に
借入金は利益から返済 税務署は何もかも知っていた
資金はどれだけ必要か サマ変わりした喫茶店
在庫 リベートを要求されて
固定長期適合率 引き継いだ会社は蟻地獄だった
利益 続・引き継いだ会社は蟻地獄だった
有限会社が無くなる 支店を沢山持ったが
給与所得控除に課税 共同経営の破綻
定款変更 続、共同経営の破綻
キャッシュフロー計算書 領収書だけでは証拠にならない
労働分配率 例えは悪いが「税金はエサ」ですね
損益分岐点 モーツアルトのソフトなメロディー
新宿区 西山隆税理士事務所

モーツァルトのソフトなメロディー

Part14をお尋ね下さいまして有難うございます。

  「一と口情報」  
一と口情報

損益分岐点
社長 「損益分岐点というのは何でしょうか。銀行で『お宅の会社はどの位ですか』と聞かれました」
税理士 「利益が出るか損失になるかの境目となる売上高のことです。社長さんですから大体つかんでおかないといけませんね 」
社長 「粗利益はどの位だの、固定費はいくらだの、次々に聞かれました 」
税理士 「損益分岐点は、固定費を粗利益率で割ったものなのです。例えば年間1億円の売上があったとします。材料費や外注費に7000萬円払うと残り3000萬円が粗利益で売上高の30%になります。家賃や人件費等のように、売上高が多くても少なくても同じ金額を支払うものが固定費ですが、之が合計で2400萬円だったとすると2400萬円を粗利益率30%で割った8000萬円が損益分岐点の売上高です。売上高が8000萬円より少ないと損失になるし、多いと利益が出るという分かれ目ですね 」
社長 「ははー、そういうものですか。それで、今期はどの位の売上を予定していますかなんて聞かれたんだ 」
税理士 「銀行も、儲かるかどうか知りたいですからね。その上で貸し出しもしようというわけです 」
社長 「 いやー、そんな大事な数字ですか。いい加減に答えるわけにはゆきませんね。よく分かりました 」

  「企業ドラマ」  

それでは、「モーツァルトのソフトなメロディー」のお話を致しましょう。

モーツァルトのソフトなメロディー

十五年前のことである。大星さんは、郊外線のT駅の前で、小さな喫茶店を営んでいた。郊外線とJR線の駅があるT市は、元々、S国立大学の学生の街であったが、最近、JR線のT駅に、駅ビルが建ち、某百貨店や有名商店が、テナントとして入ることとなった。そして、ヒョンなことから、大星さんの喫茶店にも、テナントとして入らないかという話が、転がり込んだ。
「願ってもないこと。」と大星さんが喜んだのは、勿論である。しかし、保証金二千万円の他、店舗造作に二千万円が、かかるという。「そんなお金はとても・・・」と、思案にくれる大星さんに、取引先の信用金庫が、「駅ビルに入れるんなら、私の所で貸しますよ。」と、相談に乗ってくれた。話は、トントン拍子で進み、遂に、駅ビルの中に、喫茶店スターができた。
今まで、郊外線のT駅の前の小さなお店で、細々とコーヒーを立てていた大星さんは、開店の日から、八人の従業員を指図し、材料の仕入れや、お金を計算するなど、大忙しの毎日となった。それでも、売り上げは目標の月三百万円を超えたし、経費を差し引いても、大星さんの手元に五十万円は残った。
開店前に、有限会社を設立したので、五十万円は、大星さんの給料とした。 毎日、学生を中心に、若いお客が次々と出入りし、コーヒーを飲み、談笑して 帰る姿を見ていると、夢のような思いであったが、そんなことを顧みるヒマも 無いほど、また目まぐるしく、忙しい日々でもあった。
お店は順調に回転して、一先ずは、やれやれというところである。だが、資金繰りには、少々頭を痛めた。何といっても、信用金庫への返済が大変である。
四千万円を十年返済としたので、月々利息を含めて、四十万円は支払わなければならない。大星さんの給料を取ると、お店には、殆どお金が残らない。仕方なく 大星さんは、店から受け取った給料の大部分を、お店に貸し付け、その金で返済をした。借入金の肩代わりである。「しばらくは仕方がない。生活費は、前の店から上がるんだし、少し我慢しよう。」そう言って、忙しい毎日を繰り返すうち、瞬く間に、三―四年が過ぎた。
お店は、開店以来、売り上げも目標どおりに推移し、順調に繁盛していると言えた。だが、大星さんの給料は相変わらず、手許に残らない。したがって大星さんの生活は、T駅前の小さなお店でコーヒーをたてているときと、あまり変わりなかった。「大星さん、借入金を肩代わりしていたんでは、大星さんは給料を受け取ったことにならないし、メリットが無いですよ。又、信用金庫から借りてはどうですか。」と言ったが、「いや、借金は返してゆかなければ。」と、大星さんは、給料での返済を続けた。
そんな大星さんが、ある時、急に、「店をやめる。」と言い出した。奥さんが ビックリして「何で?」と聞いたが、大星さんは、理由を話してくれず、以前のお店に引っ込んでしまった。仕方なく、奥さんが、テナント店の方を営業する ことになった。大星さんの行動は、甚だ唐突である。が、その気持ちは、分からぬではない。
元々、キャシャな体の大星さんにとって、テナントのお店は、忙しすぎた。 朝早くから、開店の準備のために、仕込みやら仕入れやらに、若さのピチピチと はちきれるような従業員と一緒に飛び回り、夜遅くまで体を動かすには、そろそろ高年に入ろうという大星さんには、荷が重かった。前のお店で営業していた時には、客足の途絶えた頃合いに、自分のたてたコーヒーを飲みながら、モーツァルトのソフトな調べの中に浸り、お店の中に飾り付けた、趣味の、ポリネシア風の木彫りの彫刻像を眺めながら、体を休めることができた。今は、そんなヒマは無い。それに、店の中が立て込んでくると、モウモウとしたタバコの煙の中で、学生達のガヤガヤと、時には、嬌声も交えた話し声に、モーツァルトのソフトなメロデイーは、かき消され、前の店と同じように、造作の中に取り入れたポリネシア風の彫刻像に、楽しそうに、目を向ける客も見当たらなかった。そして、お金の苦労である。お店は、いかにも、活気があって、繁盛していた。傍目から見れば、儲かるに違いないと思えた。だが、大星さんにとって、実のところは、あまり収入が増えない。銀行への借金返済に追われる月々であった。前の店で、細々とコーヒーを点てていた頃が懐かしかった。
一体、大星さんが、テナントのお店を出した意味は、何だったんだろう。せめて大星さんの収入が、以前より大幅に増えたというなら良い。「儲けるために店を 出した」と、大星さん自身、納得したろう。だが、大星さんは、只、借金返済に追われるだけだった。テナント店は、初めから、「借金依存経営」だったのだ。四千万円が、資本金であったのなら、問題は無い。だが、そのお金を、全部借りて、しかも、固定してしまったのだから、借金の方も、減らすわけにはいかない。「借金依存経営」には、それなりの方法が必要だったのだ。その手筈を踏まずにおくと、アンバランスとなり、大星さんには、何のメリットも無い結果となる。 大星さんが、その点を理解して、新たに手を打った時、又、テナント店の経営に 乗り出すことになろう。
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